
UPF50+は、何を測った数字なのか
UVカットのウェアを選ぶとき、たいていの人が「UPF50+」という表示を見ます。ただ、この数字がどの範囲を測ったものかを説明している場所は、あまりありません。UPFが見ている範囲と、見ていない範囲の話をします。
UPFは「紫外線防護係数」
UPF(Ultraviolet Protection Factor)は、繊維製品がどれだけ紫外線を通しにくいかを示す指標です。日本では JIS L 1925、オーストラリア・ニュージーランドでは AS/NZS 4399 という規格で測定方法が定められています。
UPF50 は、その生地を通り抜ける紫外線が50分の1以下になる、という意味です。数字が大きいほど通しにくくなります。
測っているのは、290〜400nm
ここが今日の本題です。JIS L 1925 の測定波長域は 290〜400nm。紫外線の範囲です。
太陽光には、それより波長の長い光がたくさん含まれています。目に見える可視光線、そしてその外側の近赤外線。地表に届く太陽光のうち、紫外線はおよそ5%で、近赤外線はおよそ4割を占めます。
下の図は、290nm から 2600nm までを実際の比率で並べたものです。
図1 太陽光の波長域と、UPFが測っている範囲
横幅は実際の波長域の比率です。UPFの測定波長域(JIS L 1925)は290〜400nm。
紫外線の帯は、全体の5%にも満たない幅しかありません。UPFという数字は、この細い帯の中の話です。
誤解のないように書いておくと、これはUPFの欠点ではありません。UPFは紫外線の指標として、正確に機能しています。足りないのではなく、対象が違う。それだけのことです。
UPF50+ には、その上がありません
もうひとつ知っておくと役に立つことがあります。UPF50+ は上限表示です。UPFが50を超えたものは、55でも80でもすべて「50+」と表示されます。
つまり「UPF50+」と書かれた製品どうしを、この数字だけで比べることはできません。目盛りがそこで止まっているからです。
では、残りの光はどうなっているのか
近赤外線は目に見えず、日焼けもしません。だから、浴びていることに気づきにくい光です。紫外線が皮膚の表皮までにとどまるのに対し、近赤外線はより深い層まで到達することが知られており、近年は皮膚科学の分野で光老化との関係が研究されています。
ただしこの分野の研究は、まだ進行中です。結論が出ているわけではありません。
私たちが出している、もうひとつの数字
CORE SHIELD®は、紫外線に加えて、近赤外線の帯域についても生地を測定しています。
| 項目 | 測定波長域 | ホワイト | ブラック |
|---|---|---|---|
| 紫外線遮蔽率 | 290〜400nm | 97.1% | 98.7% |
| UPF | 290〜400nm | 50+ | 50+ |
| 近赤外線遮蔽率 | 780〜2600nm | 88.6% | 87.6% |
紫外線は JIS L 1925 に基づく第三者試験機関(一般財団法人ケケン試験認証センター)の試験結果、近赤外線は780〜2600nmの平均値で、素材メーカーによる測定値です。
「UPF50+」だけでは分からないことがある。それを埋めるために、私たちは数字をふたつ出しています。
※ 記載の数値はいずれも生地単体での測定値です。着用時の効果を示すものではありません。
※ 近赤外線と光老化の関係については、皮膚科学分野で研究が進められている段階にあります。本製品は衣料品であり、シミ・シワ・たるみを防止または改善するものではありません。

