
UVカットウェアは、なぜ黒が多いのか
UVカットのウェアを探すと、黒や濃紺ばかりが並びます。夏なのに、なぜ濃い色なのか。理由があります。そして、その理由には副作用もあります。
紫外線を止める、いちばん簡単な方法
生地の色を濃くすることです。
濃い色の染料や顔料は紫外線をよく吸収します。だから同じ素材・同じ厚みなら、白より黒のほうが紫外線を通しにくくなります。UVカットウェアに濃色が多いのは、それがいちばん確実で、いちばん安く済むからです。
ただし、濃い色は熱を持ちます
濃い色が吸収するのは紫外線だけではありません。目に見える光、可視光線もよく吸収します。吸収された光はそこで熱に変わります。夏に黒い服が暑いのは、このためです。
この差を測った実験があります。日本光医学・光生物学会の学会誌に掲載された論文の中で、人工太陽照明灯を30分間あてたときの温度上昇が比較されています。
図1 人工太陽照明灯を30分照射したときの温度上昇
光吸収発熱温度差(JIS L 1926:2019)。アームカバー用生地での比較で、CORE SHIELD®のインナーに使用している生地とは異なります。出典:宮川朋之、佐々木政子:太陽からの近赤外線による肌の光老化を防御する生地の開発、Photomedicine and Photobiology, Vol.45(2024)
市販のブラックのアームカバーが 15.3℃ 上昇したのに対し、開発されたホワイトの生地は 6.3℃ でした。紫外線の遮蔽率はほぼ同じままで、温度上昇だけが 9.0℃ 小さかったと報告されています。
この比較はアームカバー用に作られた生地で行われたもので、CORE SHIELD®のインナーに使っている生地とは別です。論文で報告された実験結果としてご覧ください。
可視光は通して、近赤外線だけ吸収する
では、白いままで近赤外線を止めるにはどうすればいいのか。
使われているのが CWO® という材料です。住友金属鉱山株式会社が開発したセラミック微粒子で、もともとはビルや車の窓に貼る遮熱フィルムに使われてきました。
窓に使えるということは、可視光を通すということです。透明でなければ窓になりません。そのうえで、近赤外線だけを吸収します。
図2 CWO®を配合したポリカーボネートの透過率
※ポリカーボネート樹脂での測定例です(住友金属鉱山株式会社 提供)。本製品の生地の性能を示すものではありません。
グラフを見ると、400〜600nm の可視光の範囲では6割以上を通しているのに、700nm を超えたあたりから急激に落ちていきます。色を濃くすることなく、近赤外線だけを止められる。これがこの材料の性質です。
だから、白いままでいい
CORE SHIELD®が白を基調にしているのは、デザインの好みではありません。濃くしなくても数字が出る素材を使っているから、白にできるという順番です。
近赤外線を吸収する糸に、紫外線を反射する酸化チタンを練り込んだ糸を組み合わせることで、白い生地のまま両方に数字を出しています。
| 項目 | 測定波長域 | 結果 |
|---|---|---|
| 紫外線遮蔽率 | 290〜400nm | 98.0% |
| UPF | 290〜400nm | 50+ |
| 近赤外線遮蔽率 | 800〜2600nm | 77.1% |
濃い色を選ぶか、素材で解決するか。私たちは後者を選びました。
※ 記載の数値はいずれも生地単体での試験値です(Trubeaute® C/ホワイト)。着用時の効果を示すものではありません。
※ 近赤外線と光老化の関係については、皮膚科学分野で研究が進められている段階にあります。本製品は衣料品であり、シミ・シワ・たるみを防止または改善するものではありません。

