
日焼け止めは、太陽光の何%を防いでいるのか?
日焼け止めを塗って出かけた日、太陽光のうちどれくらいを防げているか、考えたことはあるでしょうか。答えは、およそ5%です。この記事では、日焼け止めやUVカットウェアが対応している範囲と、対応していない残りの部分について整理します。
日焼け止めが対応しているのは、太陽光の約5%
まず、地表に届く太陽光のエネルギーの内訳から見ていきます。
- 紫外線(UV/280〜400nm): 約5%
- 可視光線(400〜700nm): 約43%
- 近赤外線(700〜1400nm): 約42%
- その他の赤外線(1400〜4000nm): 約11%
ASTM G173-03 の基準太陽光スペクトル(AM1.5 全天日射/地表)を波長域別に積分した値。四捨五入のため合計は100%になりません。
日焼け止めが防ぐことを目的に設計されているのは、このうち紫外線の部分です。棒グラフのいちばん左、全体の約5%にあたる細い帯がそれです。
誤解のないように書き添えると、これは日焼け止めの欠点ではありません。日焼け止めは紫外線を防ぐためにつくられた製品であり、その役割はきちんと果たしています。問題は、私たちが「日焼け止めを塗った=日差し対策は済んだ」と考えてしまうことのほうにあります。
SPF・PA・UPF──3つの数字は、すべて紫外線の指標
日差し対策の製品に書かれている数字を並べてみると、この構造がはっきりします。
| 表示 | 何を評価しているか | 対象の光 |
|---|---|---|
| SPF | 主としてUV-B(紫外線B波)を防ぐ指標。日焼けによる肌の赤みが出るまでの時間が、何倍に延びるかを示す | 紫外線 |
| PA | UV-A(紫外線A波)を防ぐ指標。+の数で4段階に分かれる | 紫外線 |
| UPF | 衣類が紫外線をどれだけ遮るかを示す防護係数 | 紫外線 |
SPFとPAの定義は、環境省の「紫外線環境保健マニュアル2020」にも記載されています。
つまり、SPF50+・PA++++の日焼け止めを塗り、UPF50+のウェアを着ても、守られているのは太陽光の約5%の範囲だということです。数字が大きいほど「万全」に見えてしまいますが、その数字が測っているのは、あくまで紫外線だけです。
残りの95%には、何が含まれているのか
内訳に戻ります。約43%が可視光線、そして約42%が近赤外線です。
近赤外線は波長がおよそ700〜1400nmの、目に見えない光です。紫外線よりも波長が長いぶん皮膚の奥深くまで到達し、真皮を越えて皮下組織・筋膜まで届くと指摘されています。日差しを浴びたときに感じる「ジリジリと熱い」という感覚の大部分は、紫外線ではなくこの近赤外線によるものです。
近赤外線については、近赤外線とは?紫外線との違いと熱中症・肌への影響で詳しく解説しています。
「塗る」対策には、もうひとつの限界がある
守れる範囲が狭いことに加えて、その狭い範囲すら、塗りっぱなしでは維持できません。
環境省のマニュアルは、日焼け止めを2、3時間おきに塗り直すことを勧めています。理由は、手や衣類が触れること、汗をかくこと、タオルやハンカチで拭くことによって、塗った日焼け止めが落ちてしまうためです。
この2、3時間という数字を、実際の屋外の過ごし方に当てはめてみてください。
- ゴルフ1ラウンド: 約4〜5時間。途中で最低1回は塗り直しが必要な計算になります
- 庭仕事・畑仕事: 半日なら2回、朝から夕方までなら3回以上
- 現場作業: 手が汚れている状態で、時間どおりに塗り直せるでしょうか
汗をかく季節ほど落ちやすく、そして汗をかく季節ほど塗り直しの手間は現実的でなくなります。対策として理にかなっているのに、続けられない。これが「塗る」という方法が抱えている構造的な問題です。
光そのものを減らす、という発想
ここまでを整理すると、必要なのは次の2つだとわかります。
- 紫外線だけでなく、近赤外線にも対応していること
- 塗り直しを前提としない、着ているあいだ続く方法であること
この2つを同時に満たす方法が、近赤外線カット機能を持つ素材で肌を覆うことです。ウェアを選ぶときは、「UVカット」という表示だけでなく、近赤外線のカット率が数値で示されているかを確認してみてください。表示がない製品は、近赤外線を防ぐことを想定してつくられていない可能性があります。
近赤外線を76%以上カットする「CORE SHIELD®」
当ストアが展開する CORE SHIELD®(コアシールド) は、この近赤外線に着目した日本製のウェアブランドです。住友金属鉱山株式会社が開発した近赤外線吸収微粒子CWO®を配合した特殊繊維Trubeaute®により、近赤外線を76%以上カットします(生地単体での試験値)。紫外線も99%以上カット・UPF50+です(同じく生地単体での試験値)。
機能成分は繊維の内部に練り込まれているため、汗で流れ落ちることも、塗り直しの必要もありません。脱ぐまで、そのまま続きます。
まとめ
- 日焼け止めが防ぐことを目的にしているのは、地表に届く太陽光の約5%にあたる紫外線
- SPF・PA・UPFは3つとも紫外線の指標で、赤外線を評価する項目はない
- 残りのうち約42%が近赤外線で、皮膚の奥深くまで届くと指摘されている
- 日焼け止めは2、3時間おきの塗り直しが推奨されており、長時間の屋外活動では続けにくい
- 「塗る」のではなく「覆う」ことで、範囲と持続の両方を同時に解決できる
日焼け止めは、5%を守るための優れた道具です。問題は、残りの95%が長いあいだ話題にすらならなかったことのほうにあります。
※本記事の太陽光の組成は、ASTM G173-03 の基準太陽光スペクトル(AM1.5 全天日射/地表、280〜4000nm)を波長域別に積分した値です。波長域の区切りは、紫外線 280〜400nm、可視光線 400〜700nm、近赤外線 700〜1400nm、その他の赤外線 1400〜4000nm としています。
※SPF・PAの定義および日焼け止めの塗り直しに関する記述は、環境省「紫外線環境保健マニュアル2020」にもとづいています。
※近赤外線と光老化(シワ・たるみ)の関係については、研究が進められている段階であり、確立した結論ではありません。
※CORE SHIELD®は衣料品であり、シミ・シワ・たるみを防止または改善するものではありません。

